アニオンギャップは血清中の主要陽イオンと陰イオンの差を測定する計算で、代謝性アシドーシスの検出に役立ちます。

AG = Na⁺ - (Cl⁻ + HCO₃⁻)。この計算は測定されていない陰イオン（リン酸、硫酸、蛋白質など）を反映します。

補正AG = AG + 2.5 × (4.0 - アルブミン)。代謝性アシドーシスを隠蔽する可能性のある低アルブミン血症を補正します。

代謝性アシドーシスのタイプを鑑別し、診断調査を導きます。高ギャップは測定されていない陰イオンによるアシドーシスを示唆します。

ケトアシドーシス、乳酸アシドーシス、腎不全、中毒。MUDPILES（メタノール、尿毒症、糖尿病、プロピレングリコール、イソニアジド、乳酸、エタノール、サリチル酸）で覚える。

重炭酸イオン喪失（下痢）、腎尿細管性アシドーシス、炭酸脱水酵素阻害薬使用。高クロール血症が特徴。

臨床的に稀。重度低アルブミン血症、陽性荷電パラプロテイン、高カルシウム血症、高マグネシウム血症が原因。

常にpH、動脈血ガス分析、腎機能、臨床背景と合わせて解釈。アニオンギャップは指針となるが、完全な評価に代わるものではありません。